歯科恐怖症治療に保険適用はできるのか?

歯科恐怖症学会の渡辺です。

歯医者が怖い・苦手・痛いのが嫌だというような方から、嘔吐反射・嘔吐恐怖症・パニック障害などの歯科恐怖症の方が、ブログ、You Tube、Podcastなどの情報発信により歯医者に通いやすくなるよう活動しています。

 

歯科恐怖症治療に保険適用ができるのか?

さて、今回は、「歯科恐怖症治療に保険適用ができるのか?」というテーマでお話をしていきます。

そもそも、保険適用になるということは病名が必要です。

虫歯(カリエス)という病名があるか虫歯の治療が保険適用になる。歯周病(ペリオ)という病名があるから保険適用になる。

歯科恐怖症という病名を入力する項目は保険診療上で、存在します。ただし、虫歯や歯周病のように客観的な歯科恐怖症を確定診断するための根拠や基準は存在していません。

歯科医師が、その患者さんのことを歯科恐怖症と判断すれば、歯科恐怖症となります。現状はあいまいな診断基準であることは否めません。

そして、歯科恐怖症と判断すれば、保険適用は可能になります。具体的に、どんな治療が可能になるか、というと、

  • 笑気吸入鎮静法
  • 静脈内鎮静法(静脈麻酔)
  • 全身麻酔

この3つの歯科麻酔技術を用いて歯科治療を行うことができます。

一つずつ説明します。

 

笑気吸入鎮静法

➡いわゆる笑気麻酔です。個人差はありますが、少しお酒を飲んだくらいのリラックスさがでてきます。若干の痛みを軽減する作用もあります。

静脈内鎮静法(静脈麻酔)

➡点滴により、眠たくなるお薬を入れて、寝ているか寝ている手前くらいのボーッとした状態をつくりだすことができます。歯科麻酔に精通した歯科医師が必要です。

静脈麻酔となると、より深い鎮静を作り出すので、大学病院のような全身麻酔を行える環境がないと難しいかと思います。

※静脈内鎮静法は、保険診療で行うことができますが、多くの街の歯科医院では、麻酔医がいないため、実施していないところがほとんどです。実施していたとしても、保険診療ではなくて保険外診療で行っているところがほとんどです。

静脈内鎮静法というのは特殊な経験と知識がないと実施できないですし、安全に行うためにはかなりの知見も必要です。保険診療ではなく、自費診療で行うという考えも否定はできませ。

歯科恐怖症学会としては、保険診療でも静脈内鎮静法を安全に行える歯科医院が増えてほしいと考えております。

 

全身麻酔

➡日帰り入院、宿泊しての入院による、呼吸や意識を完全に落とした状態での治療となります。大学病院での治療になることがほとんどです。一度に複数の虫歯を治療することができますが、頻回に治療を行うにはあまり向きません。

全身麻酔が必要と判断した患者さんは、提携している大学病院に紹介することが大切です。

 

まとめ:3つの治療方法で歯科恐怖症治療に保険適用ができる

  • 笑気吸入鎮静法
  • 静脈内鎮静法(静脈麻酔)
  • 全身麻酔

以上の3つの治療方法が、歯科恐怖症に対する保険適用の治療方法となります。

開業医で、これらの治療方法に対応しているクリニックはまだ少ないのですが、お近くの歯医者に問いあわせていただければと思います。また、歯科恐怖症学会推奨クリニックであれば対応可能ですので、お問い合わせください。

 

ということで、本日は、
歯科恐怖症は保険適用できるのか?というテーマでまとめさせていただきました。

「歯科恐怖症治療に保険適用はできるのか?」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。
    年齢を重ねる毎に、歯科に対する身体の拒否反応が顕著になってきており、型取りはもはや、命懸け、位の嘔吐反射で、そこから歯科から足が遠のく事も否めない者です。
    きっかけは20代の頃の矯正治療における型取りだろうなと思ってますが、奥歯治療イコール型取り、が40代になり必要になってから、治療の際も手に汗、震え、動悸、過度な嘔吐反射、でパニックの様な症状が出てしまい、本当通院先のクリニックの皆さんにはご迷惑をかけてしまってます。。姿勢を立位にするとかしないとか、鼻から息するとか、そんな事より舌の付け根に異物が接触している事実がパニックの引き金なので、麻酔をお願いしています。。この辛さは本当に、当事者しか、知り得ない恐怖に結びつくと思います。
    今後、歯科恐怖症の認識が広く広がり、麻酔使用や型取りも印象無しのスキャニングが当たり前になって欲しいと、心底思ってます。

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